ベトナム料理の特徴
日本人の味覚に合いやすいという
ベトナム料理は、日本人の味覚に合いやすいという特徴を持っているためファンになる人も少なくありません。その理由の一つとしては、米を主食としているということです。
もちろん、日本の米とは種類が違うものですが、ベースとなる食材が一緒ですので飽きが来ないというメリットがあります。
また、米や小麦粉で作った麺もよく食べますので、麺好きの日本人の食生活に合いやすいのもうれしいところです。衛生事情もそう悪くありませんので、安心して食べられます。
麺にはフォー、ブン、春雨(ミエン)、バインダークアなど。
ベトナムはフランスの支配を受けていた時期がありましたので、食文化もフランスの影響を受けているところがあります。フランス料理の技法や食材を使っているというわけではありませんので、はっきりとフランスっぽいのが分かるわけではありません。
しかし、食材そのものには強い味付けをせず、ソースで味付けをして食べるという基本的な調理の仕方がベトナム料理の基本となっています。たとえば、甘酢のようなソースやチリソースが有名で、食材の味を生かしながら好みでソースを変えられるのが魅力です。
こうした調理の仕方は日本人の嗜好にも合いますし、バリエーションも豊かなので食文化を満喫できるでしょう。
ベトナム料理の調味料
もう一つのベトナム料理の特徴はヌックマム、もしくはニョクマムと呼ばれる調味料をよく使うということです。
これは魚醤と呼ばれるタイプの調味料で、魚を発酵させてできた汁をメインとしています。魚のエキスが抽出された旨みの濃いもので、料理に深みを与えます。
このヌックマムは日本で言うところの、秋田や青森で使われる「しょっつる」に近いもので、日本人にも合います。
ただし、ちょっと魚の発酵臭が強く感じられる人もいて、苦手だと思うこともありますので、好みが出るところでしょう。
これは水で薄めたり、砂糖、ライム、にんにくなどを加えると食べやすい味付けになります。
地域による味付けの違い
ベトナム料理を理解する上でのもう一つのポイントは、南部と北部での違いです。南部はかなり蒸し暑い気候ということが影響していて、甘辛い味が基本となっています。
また、香草をかなり使う傾向があって、味と香りのハーモニーが楽しめる料理となっています。
ライスペーパーを使うことが多いのも南部に見られる特徴で、いわゆる生春巻きのような料理が多くあります。
一方で北部は、塩がよく利いた味付けがベースとなります。甘味はそれほど強くなく、さっぱりとしたダシを利かせて塩や醤油で味付けをするという料理が多くなります。
どちらかというと、こちらの方が日本人の味覚に近いものがあります。海から遠いので海産物はそれほど使われることなく、川魚やタニシなどがよく食卓にあがります。
香草をバリエーションよく使うのもベトナム料理の特徴と言えます。パクチーや日本のドクダミのようなもの、ペパーミントなどを組み合わせて使い、香りの複雑な組み合わせを楽しめるのも魅力的です。
日本の食文化にあまりないので最初は違和感を覚える人もいますが、慣れると病み付きになる料理です。
ベトナム料理はかなり奥が深いので、滞在している間に屋台料理を含め、いろいろ試してその良さを満喫するようにしましょう。