ベトナムの教育制度
ベトナムでは、1998年に制定された教育法が、2005年改正され、義務教育も9年に延長された。現在のベトナムの教育制度は、「5・4・3・4制」で、義務教育は小学校5年と中学校4年の合計9年で、日本と同じである。小学校から大学まで新学年は9月5日に始まり、1月末から2月末までの旧正月休みを挟み、翌年5月末までの2学期制を敷いている。
ベトナムの学校の特徴
小学校にはその年の12月31日に6歳になる子供が9月5日に入学する。このため、日本と違い5歳の子も小学校に入学していることになる。
開校時間は日本と比べ早く小学校では8時からで、昼寝の時間が1〜2時間程度ある。これは夏場の日中の温度が40度まで上がるためである。
高校卒業試験は国家試験であり、現在は大学入試試験も兼ねている。毎年6月末ごろに全国同一に実施され、親が試験場まで見送ったり、大学を含めた教師が試験を監督したり、大学生は試験開催をサポートしたり、高得点を取った生徒はメディアでトップニュースになったりと、国の一大イベントとなっている(2019年)。
都市部と農村部の格差
都市部と農村部には教育格差が存在し、都市部の子供の中には塾に通う生徒もいるが、農村部には小卒・中卒の生徒もいる。その理由としては、学費・教科書代が有料であること、農村部には農業以外の仕事がないなどが存在する。
公立学校と私立学校
ベトナムでは公立学校と私立学校の格差、そして公立学校の中には名門と見なされる学校とそうでない学校の格差も存在する。特に都市部では子供の数に教師の数が追いついておらず、公立学校では1クラス50~60人にも上り、面倒が見切れていない。それに対し私立学校では30人程度まで制限されて、質の良い教育が維持されている。
教師について
ベトナムでは教師は名誉職で、毎年11月20日は「教師の日」として全国で学校、生徒、保護者から祝福されている。そのほか、小学校から高校までの教師はほぼ女性であるため、ベトナム女性の日、国際女性の日も同様に祝福されている。
しかし、教師は月給3〜5万円程度の薄給であるため、アルバイト(補習、家庭教師など)で生活費を稼ぐのは常識となっている。また、保護者とSNSで個人的に連絡を取り合っている親も多く、教師との距離はかなり近いと言えます。